2014年1月18日土曜日

本音

Bonsoir!

今日は金曜日。毎週金曜日は基本的に村の小学校に行くと決めています。
なぜなら村に行った翌日は疲れて、朝起きれないから。(笑)

そして村に行くと、違う視点を得れるので、とても楽しいし、ハっとすることもしばしば。

今日行った村は、Mbethie村というダーラから3キロほど離れたプル族の村。

ダーラ周辺の村の中では、かなり近い方。

ここの小学校は2012年に出来たばっかりで、1年生と2年生にあたる学年しかクラスがありません。

半分から前を向いている机と、後ろを向いている机があります。

50人くらいの複式学級。先生は1人。

村と市内では、別の問題を抱えています。

今日はMbethie村で1人の教師ウスマンと授業をして、ご飯を食べながら色々話していました。

すると彼はこんなことを言いました。

「教えることは難しい。教員になった最初の3か月は怖くて寝れなかったよ。
だって何を言っても、何を教えても、子どもたちはキョトンとしているんだもの。どうしたらいいのかわからなかった。」

幸いなことに、彼は村ではなく、3キロ離れたここダーラに住んでいて、毎日通っています。

往復で6キロ歩くときも。(今日は私も帰り歩いて帰ってきたけれど、砂道をひたすら歩いてクタクタでした。)

そのため、ダーラ市内の別の小学校で働く友人にどうしたらいいのか聞いたみたいです。

それからは、少しずつ良くなったんだとか。

セネガルでは、就学率が2010年に90%近くまで上がった結果、教員不足に陥り、

教員養成課程が9か月程度しかありません。

高校を卒業した資格があれば、教員養成校に入学する権利はあります。

そして若い先生はウスマンのように、村に行かされることが多いみたいです。

教員の質の低下が問題視されています。

でも、どうでしょうか。

高校を卒業して、教員養成課程を9か月で終え、コンクールと呼ばれる教員になるための試験に受かって、

いざ教員として村に行ってみたら、教員は自分1人だけ。子どもは50人もいる。

しかも、複式学級。相談しようにも、同僚が村にはいない。教材だって十分にない。

校舎はコンクリートではなく、藁で作ったような校舎で、強風が吹けば、とんでいきそうな。

そんな状況でも、ウスマンは向上心がないわけじゃありません。

今日の授業後、帰り道、しきりに私に質問してきます。


今日の授業はどうだったか。
印象はどうだったか。
子どもたちの様子はどうだったか。
何かなおしたらいいところはあるか。



教員の質が低いのが問題だ!!!

本当にそうでしょうか。

「最初の3か月、どうしたらいいのかわからなくて寝れなかったよ。」

今日ウスマンが私に話してくれた彼の本音は、何だか問題の本質をつついているような気がしました。

一般的に問題とされていることを鵜呑みにするのではなく、

自分で話を聞いて、一緒に働いて、そこから何が問題で、私に出来ることは何なのか。

自分がボランティアだ、という立場も踏まえながら、セネガル人と一緒に前を向きながら考えていきたいものです。

本音を話してくれたウスマンに心から、アジャーラーマ!(プル語でありがとう!)


村に行くまでの道のり。


村で1人の教師ウスマンと子どもたち。そして校舎。


一生懸命にフランス語をアドワーズ(個人用ミニ黒板)に書く1年生の子。


自分で書いたフランス語を見つめる1年生の子。


宿題用のノートに一生懸命フランス語を書く2年生の子。


公用語のフランス語が授業で使われ、子どもたちも学ぶ。

小さな村で誰も外国人がいなくて、

がやがやとした車や人もいないのどかな場所で

みんなが話す言葉じゃなく、

彼らにとっては外国語であるフランス語が使われていることに、不思議な感覚を覚える。




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